Video ARTicle: 2005年12月アーカイブ

「ビデオのピクセル 」 by服部かつゆき

「ビデオのピクセル 」
服部かつゆき
 
 ビデオ画像は、例えどのような図像でも、明滅するピクセルの集合によって像を生じさせる。それは明滅する各ピクセルの濃淡と色調の差が生じることで、像として認識される。このピクセルの1粒は、赤、緑、青の3色で構成されていて、各色256階調、計1677万7216階調の表現の幅を持つ。(*1)

hattori200510b.jpg 私は今このピクセルがもつラチチュードを、ビデオ表現における根本原理としてとらえている。写真や映画のフィルムがもつラチチュードとビデオのそれとを比べると、いくらか狭い階調幅ではあるが、写真にはない経時性や、映画では達成できない即時性などの特性がビデオにはあり、それらを活用することで、先覚メディアと同様、芸術的に優れた作品をつくることができる。